BRUTUS [新・珍奇植物] 掲載

お久しぶりです・・・。
環境がかなり変わって超絶バタバタしております。

先月またスラウェシ島に行ってきたんですよ。その記事書かなきゃ・・・・・・
・・・・・・・・・・・と!その前に!!

前回2016年4/15号のBRUTUSの植物特集に載せて頂いたんですが、また掲載いただけることになりました。

BRUTUS [新・珍奇植物] 
明日発売ですね。
今回は(も)アリ植物。自分が育てている良さげなものを図鑑ページにて紹介しています。あと玉虫色植物でも一点。

あと、来週6/23,24に大阪で開かれる植物イベント、BORDERBREAK!!にて、
「STRINGEPLANTS」という屋号で植物販売します。
今回行ったスラウェシ島の植物、アリ植物はもちろん、ビカクなどシダや着生植物中心に色々持っていきます!
今回BRUTUSで紹介されるような珍しいもの、さらに珍しいものなどあります!
もちろん初心者向けのものも何から何まで。植物園に来るような感覚で来ていただけたらと思います。

告知だけになっちゃいましたが、落ち着いたらまた記事書きますので見てね…
とりあえず一枚だけ載せときます。
イメージ 1
Lecanopteris celebica  Poso,Central Sulawesi

めちゃ楽しそうでしょ。めちゃ楽しかったです。色々あったけど・・・。
今回Myrmecodia4タイプ、Lecanopteris3種見つけて大豊作でした。
詳細お楽しみに!!!

アリノスダマの栽培

お待たせしました・・・。やっとこの記事を書きます。

アリダマ育ててみたいと思ってもなかなか情報が無くて困ってる方多いと思います。園芸店で販売してても、まず販売員はたしかな情報を知らないはず。
アリダマの情報も書いていきたいですが、まずここでは栽培の基本的な事を書いていきます。

アリノスダマの基本情報
まずアリダマと言っても種類があって、Myrmecodia、Hydnophytum、Myrmephytum、Squamellaria、Anthorrhiza の5属があります。
それぞれ標高や環境はバラバラなので、この属だからこう、ってのは特にないですがSquamellariaは湿度高めの涼しい環境を好むと言えるかな。雲霧林のアリダマ。
あとHydnophytumは基本的に強いです何故か。枝が細いからもし腐っても切除しやすいし。
低地のアリダマは基本屋外栽培が良いです。湿度とか特に気にしなくても大丈夫。室内だと徒長しやすいので勧めません。あとワーディアンとかもやめた方が良いです。
高地のアリダマはもちろん高温アウト、湿度は高めで。ほぼ手に入れる機会無いだろうけど・・・
一部長い棘や毛で覆われたようなアリダマがありますが、大抵が雲霧林のアリダマで気根が変化したものです。

あとアリが居なくても育ちます。レカノもですが、アリダマの空洞は虫コブではなく所謂ダニ室です。植物自体が成長とともに部屋を作って、そこにアリが住み着きます。アリが居ないと枯れるとか成長しないということはありません。ただ、自然界ではアリが虫など追い払ったりメンテナンスをしてる訳ですが、アリがいないので空洞は無防備。どこかで異常があっても害虫が入っても全く気付けません。腐りやすい理由のひとつかもしれないですね。

基本的なこと書いていきますが、アリノスシダと基本的にほぼ同じ。
●水好き
●通風が良い場所で管理
●日照好き
●肥料好き
熱帯雨林や雲霧林の植物
●Myrmecodiaは室内不向き(徒長しやすく作りづらい)
種に限らず栽培は難しい方
腐りやすい
山採り株と実生株では次元が違う難しさ

って感じです。
想像するとなんとなくわかるんですけど、多肉の芋は大体過酷な環境に耐えられるように養分や水分を貯めてるとかありますけど、アリダマの芋は空洞でアリを住まわせる為に肥大してるんです。もちろんある程度放置しても萎まなかったりするんですが、それは根が張って健康的な状態でのみです。それでも水好きだけど。
水好きで中が複雑な空洞になってる芋・・・超腐りやすそうですよね。

あとレカノよりも寒さに弱いです。15℃以上推奨。これ下回ったら少なからずダメージはあるはずだと思ってください。温度保てない環境には全く向いてないです。

山採りと実生株の違いはまず一番は根が有るか無いかですね。山採りは基本大体根が無かったり少なかったりするので、まず発根させることから始まるのですが、湿らせておかないと発根してこないし、放置してるとみるみる萎んでいきます。
ここら辺の方法は後で書くとして、まずは園芸店とかで買える入手しやすいものらへんから。



入手しやすい種と管理
Myrmecodia tuberosa
       tuberosa papuana
       beccarii
       
Hydnophytum formicarum
        moseleyanum(papuanumで流通)
        puffii(perangastumで流通)
        radicans

radicansは最近流通し始めたみたいだけどこの辺りかな。
園芸店で手に入るのはそもそもそんなに難しくない種なので少し気を付ければ結構簡単かも。しかも大体実生株。鉢植えのはほぼ間違いなく実生株です。
アリノスダマは着生植物です。(ニューギニア島の高地には一部地生の種がある)
園芸店では鉢植えで培養土や細かいヤシガラ等のポット植えで売ってますが、個人的には植え替えを勧めます。


理由は5つ。
芋の状態が分かりにくい、ネジラミが付きやすい、根腐れしやすい、用土が合ってない、最後に・・・・・・かっこ悪い笑
せっかく着生する珍奇な芋ですよ?!鉢植えにしたら何の変哲もないコーデックス・・・ってわけでもないけど。

鉢植え仕立てってのは全然アリ、というか普通にアリなんですけど、園芸店で売ってる状態は長期栽培には適していないと思います。着生植物なので、ポット植えのままだと根は弱々しく、水が溜まりやすく、根腐れしやすい。それを改善するような植え込みがいいんですが、例えば穴鉢にヤシガラやクリプトモス。もちろんすぐ乾くので灌水は多くなりますが、基本的には根に空気が通りやすい、水が流れやすい仕立てが良いです。乾きすぎるなら水苔刻んで混ぜたり。
用土植えはやったことないので詳しく分かりませんが、排水性の良い用土とか、植え替えをしっかりやるとかして環境とうまく合えばいけるでしょうね。

一番のおすすめはやっぱり板付け、ヘゴ付け。一番乾きやすいので芋を濡らし過ぎないし、根も見えるようになり、しっかり観察出来るので何かあったときにすぐ対処できます。
鉢植えだったアリダマを付けるのはちょっと難しいですが、真横に付けると枝に負担がかかったり落下しやすくなったり、あと単純に変なので、斜め上向きに付けるといい感じになります。ここら辺は写真を載せてまた別の記事に(出来るといいな)。

よく流通してるってことはここら辺のは低地性です。湿度は常湿で大丈夫ですが温度は気を付けないといけません。高温は40℃超えても大丈夫なくらい丈夫ですが、低温にはめちゃくちゃ弱いです。最低は15℃目安で。出来る事なら18℃あると安心ですね。10℃ぐらいでも大丈夫だったりしますが、長い間低温過ぎると危険です。



山採り株
さて、次は山採り株の栽培方法・・・なんだけど、まず始めに言っておくと
買わない方がいい
これに尽きますね正直・・・。株が大きければ大きいほど、です。まず活着までが難易度高いし、活着してもその後の生存率はかなり低いです。90%腐るぐらい思ってた方がいいです。
アリダマは主にパプアで漢方薬として売られていますが、謳い文句に「栽培は不可能だから貴重」って書いてあるぐらいです(実生は出来ますけどね)。



〇それでも買うなら!絶対に小さめの株!!

実生すると分かるんですが、小さいうちは全身が生長点ぐらい強くて、半分に切ったら2株になるぐらいです。なので小さめの株は比較的発根しやすいです。小さければ小さいほど実生と同じようなものですし。それが大きくなっていくと非常にデリケートに・・・。とは言っても枝挿しも一応出来るっぽいし(ちなみに葉からも発根したりします。その後育てたことないけど・・・)、玉が割れても生きてる株はあるんですが、輸送された根がない弱った状態では傷んだら死ぬか生きるかはほぼ運。

〇あと活着した株

活着してるということはもう養生が済んでいてかなり管理しやすいです。多少の水切れにも耐え、免疫力も上がっているので、もし一部傷んでしまっても腐りが止まったり、生き残る確率が高いです。これで腐ったら環境づくりが出来なかったか運が悪かったか(原因不明の突然死みたいなのもある)。

〇それでもかっこいいから大きいの欲しい!未知のアリダマを苦しんでもいいから栽培したい!という方は、アリダマをよく知ってる業者から購入すること

これはもう紹介出来るくらい限られてますが、一番有名なのは葉風空間さん。国内で初めて本格的にアリダマを取り扱い始めた方です。あとSquamellariaを初めて国内に持ち込んだコケシノブログさん。(あと自分笑)
そもそも山採り株を養生して育てたりして販売してる人がほとんどいないですが、知ってる方なら危なそうな株はまず出さないです。根が無くても、現状一番状態の良い株を譲ってくれることでしょう。それでも枯れちゃう時は枯れちゃうんですけどね。でも忘れないで欲しいのは敢えて難しいことに挑戦をしているということ。
かなりの数の山採り株を買ってきましたが、長年残ってる株はありません。それでも何故自分はそれでも山採りを買うのか、そして採りに行くのかというと、欲しい種が普通に売ってないから!そして大株を買って腐るまでの間に種を採りたいから!です。
アリダマは古くに記載されてるものから数えると5属合わせて大体200種類近くあってそのほとんどが詳細不明。まだまだ未知の植物です。しかし先に述べた通り、現地では漢方薬になっていて、採り尽くされた地域もあるそうです。何でもそうですが、山採り株に未来はありません。全てはなんとかして種が採れるように!・・・まぁ、自然そのままの状態は超かっこよくて惹かれるんですけどね!でもその姿を栽培で再現出来たらそれが一番最高じゃないでしょうか?それが園芸ってものだと思います。

・・・なんだか話が逸れましたが、とりあえず栽培の仕方の記事なので一応山採り株の養生、栽培方法を・・・
とりあえず発根ですね。色々やり方あると思いますが、濡らさないと発根してこないで萎むので、芋の根本付近を常に濡らしつつ蒸れないように管理してこまめに観察して祈る。基本祈る。って感じです。少しでも傷まないように、古い死んだ根は切除して、根本は殺菌して、隙間が出来ないように植え付ける。って感じです。水かけてれば意外と萎まないんですが、成長してるから発根して活着してると思ったらダメです。丸一年発根せず成長してて突如腐るなんてこともあります。

栽培方法は種によるんですが、同定できないような種もたくさんあるので、とりあえず標高と場所を調べましょう。


状態悪くなった時の対処法
○芋が萎んできた→単純に水切れだったら水やれば元に戻ります。それでも戻らない場合はネジラミを疑いましょう。通風が悪いと結構付きやすいです。駆除すればすぐに戻ります。それでも戻らなかったらどこか腐ってる可能性が高いです。

○芋が一部柔らかい→山採り株ではよくあるんですが、一部元から傷んで自然に治った箇所があったりします。その箇所は中が黒くスポンジ状になってたりします。放置して問題ないです。触ってみて表皮がずるっと崩れたらそこは腐ってます。それかもう手遅れです。

○芋が腐り始めた→すぐに腐った箇所を切除して切り口をトップジンMペースト等で殺菌。屋外温室持ってる方はホース等の水圧で腐った箇所を吹き飛ばして乾かしてもう一度植え付け。室内栽培の方が水圧で飛ばすやり方したら、放置せず殺菌した方がいいと思います。空気悪いですからね。根本が腐った場合、かなり希望薄です・・・。発根して植え付けやすい箇所が無くなるのはかなりキツイ・・・。一縷の希望をかけて枝を切って挿しましょう。腐りを取る場合も枝を挿す場合もなるべく早急にやらないと成功率は低いです。

○枝が腐った→すぐに切除しましょう。なるべく健康な箇所から切って殺菌。Myrmecodiaの場合大抵枝は一本でここが腐るとかなり危ないんですが、放置してもいいこと無いので切って祈りましょう。

○葉が垂れてきた→水切れだったら水やれば戻ります。あと急な環境の変化で落葉することがあります。離層が出来て葉がポロッと落ちるなら大体問題ないですが、枝から落ちずに葉が垂れてる状態はほぼ間違いなく芋に異常があります。ネジラミなら駆除すれば戻りますが、そうじゃなければ手遅れの可能性が高いです。次第に腐り、枯れます。大抵枝に影響が出たら末期です。

○芋に穴が開いてる→アリの入り口です。

○葉にカイガラムシのようなぶつぶつがある→Myrmecodiaの場合、葉にまるで虫が付いたようなブツブツが付いてたりしますが、これは分泌物が固まったもので、特に多湿な環境に移したときや、現地葉に多かったりしますが、何の影響もありません。何かの生理現象だと思います。出始めはカルスのような半透明のものがプツプツと出てきます。見分け方としては、分泌物なら削ぎ落とそうしても剥がれません。カイガラムシなら剥がれて潰すと茶色い体液が出るはずです。



あまりまとめられなかったような気がするけどこんな感じでしょうか・・・。これだけ書いたけど栽培やアリダマに関してはまだまだあります。色々と試行錯誤してきたけど、自分もまだまだです。ここには経験に基づいて書いてますが、全て鵜呑みせず、参考にまた試行錯誤してもらいたいです。

わからないことだらけのアリノスダマ、難しいけど面白いですよ。

South Sulawesi その5

採集3日目、最終日。

2日目終わりにハンターさんに本来の目的であるレカノの写真を見せたら、似たようなのを見たことある、とのこと。超期待して向かいました。


どんどん山を登って、標高を見てみると1400mあたり。今回一番高いところまで登ってきた。天気は曇りだったけど、このぐらいになるとやはり涼しい感じ。

2日目に見つけたアリダマがちらほら見える。さてレカノは・・・と木々を見ると枝に黒い塊が。近寄って見れる場所に行ってよく見ると着生蘭や他の着生植物の塊。あれも違うしこれも違う、と上を見ながら登っていくと
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唐突に道に倒木と一緒に落ちてるー!!!
これは!!この棘は!!!Lecanopteris balgooyi!!!!

目的のレカノではないけどめちゃくちゃ嬉しくてニヤニヤが止まらなかったです。スラウェシ島固有のレカノです。分布的にはもう一種あるんだけどそっちはもうちょい標高が低い。
切り倒された松の大木がごろごろ転がっていて、その枝にくっついていました。よく見るとまだ生きている根茎があるので、帰りに切り取って持ち帰ろうと、とりあえず先に進む。


間違いなくここにある!とまた周りの木々を見てみるけど見つからない。黒い塊が見えるけどレカノっぽくないなぁと思いながら進んでいく。




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Stachytarpheta sp.

花序が長い面白いのがあるなぁーと思ったらこれ帰化植物ですね・・・。こんな山奥にもあるのか・・・。australisっぽいけどちょっと葉の感じが違うかな?


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Selaginella sp.

いいでしょ?でもこれ採ってないんだよ・・・。何故かってまたレカノに興奮して他がどうでもよくなってしまって・・・


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Marchantia sp.

扇状の変わった?ゼニゴケ。

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あったー!!!

今度は若い株!崖を登れば取れそうな場所に!ただちょっと取りづらいので他に場所がないか探すことに。

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アリダマとレカノのコラボレーション。ここが天国か・・・
しばらく進むと霧がかってきた。完全に雲霧林と化してるなぁ。

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Nepenthes glabrata

すぐ隣に鈴なりのネペンが!光に透けた白い壺が幻想的。まるでライトのように光って目立っていました。

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暗い森に入ってもアリダマが。ここでも葉柄は赤く染まっていました。強い日照で色づくって訳でもなさそう。

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Lycopodium casuarinoides
ヒモヅル。記録があるので多分これかな?

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Selaginella sp.
繊細なセラジ。ほぼ溶けちゃったけど・・・

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2日目に見たエスキナンサス。暗い場所では赤くならないですね。ラフィドフォラかと思った。

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Oleandra sp.

山の中に腐るほど生えてて採る気にならなかったけど採ればよかったなぁ・・・
ちゃんと見てないので種類わからず・・・


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Paphiopedilum 多分celebensis

スラウェシって土地の名前付いてるの多いですね。固有種の宝庫。近年発見された植物多いし、まだまだ開拓し甲斐がある。

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素晴らしい苔。
持ち帰ったけど帰国後インフルでぶっ倒れてる間に真っ黒に・・・

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Scyphularia pentaphylla

Davallia pentaphyllaはシノニムですね。これは個人的にかなりツボなシダでした。特別珍しいシダってわけではないんだけど。

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ネペン・・・これは何だろう?


写真がぼけてしまってる・・・
襟の形が色々あるみたいですね。ネペンテス沼はとてつもなく深いからあまり近づかないようにしてるけど、やっぱいいなぁ~

一通り回ったけどレカノが取りやすいスポットになかったのでさっきの崖のところに戻る。
身軽なハンターさんが無理して登ってくれて手が届きそうなレカノを剥がして下でキャッチ。小さい欠片だからそんなにアリ居ないだろーと思ってキャッチしたら、ぽとっと手に落ちた瞬間黒い霧のようにアリがぶわーっと!笑 すぐに払ったけど背中やらお腹やらに入りこんで噛みまくってました。あぁ~これがアリに噛まれる痛みか~と感動しながら痛みを楽しみました。

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若い根茎。このぐらい新鮮じゃないと育てられないですね。




戻る途中、小屋の近くの松の大木を見上げると
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あった!とてつもなく高い・・・。どれも2、30mぐらい上に付いててとても手が届かない・・・。

周りを見回すとあちこちに。最初は全然わからなかったのに、山から下りるときにはどれだけ高い場所でも認識できるようになってました。不思議ですね。



入り口付近まで戻って落ちていたレカノの大株を解体。まだ生きている根茎を切り取り、古いのは標本として持ち帰る。中からはおそらく地上性の大きいアリがたくさん出てきました。切り倒されて結構経っていたんだと思います。

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こんなのがごろごろと。ほぼ死んでたけど。
ちゃんとあの特徴的な棘の部分も空洞になってるんですよ。

小雨降るなか下山。
これで今回の採集は終了。



色々調べて行ったけど、結局は行ってなるようになったって感じですね笑
うまいこといい出会いがあり良かったです。あぁ~こうやって書いてるとまた行きたいな。スラウェシのレカノは全種見たいです。

帰国して気付きましたが、今回見たLecanopteris balgooyi、出回ってる株や標本と葉の形状が違いました。アリ植物の研究者のフォーラムに投稿して聞いてみましたが、論文に載ってる形状と一緒だよと言われましたが、本当にそうなのか・・・?とりあえずネットには今回自生地画像が初めて出ると思うし、どの栽培株を見ても単葉に近い形状。フォーラムでもこれらの(栽培株の)画像は紛らわしいみたいなこと言ってたけど・・・。流通してる株を入手して育てて検証してみようと思います。
balgooyiの自生地はもうちょい北のほうにもあるのでそちらにも行ってみたいですね。どうやら標本の株は今回とは違う場所のようだし。


今年もまた行く予定です。色々とリベンジ・・・!






South Sulawesi その4

明けましておめでとうございます。

昨年はSTRINGEPLANTSとしては大阪BORDER BREAKに2回出店させていただき、沢山の方たちとお話し出来たりして本当に楽しかったです。ありがとうございました。

今年はより一層アリ植物やシダを集めて色々なイベントに出れたらいいなとか思ってます。よろしくお願い致します。




さて、滞ってたスラウェシの記事を書いていきます・・・!採集2日目の途中でしたね。
崩れた斜面には色んな面白いものが。

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倒木には何やら素晴らしげな苔。
結構丈夫で少しづつ育ってます。出来ればこの感じに仕立てたいな・・・


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Elatostema sp.

ぽんぽんな花が奇妙で可愛らしい!ウライソウ(Procris)だと思ったんだけど、そもそも葉脈が違うみたいですね。あと雄花雌花がある。花は雌花に似てるんだけど。
ウライソウはスラウェシで2,3種確認されてるみたいなので探したい。


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坂道登った先には超でかいリュウビンタイとリュウビンタイモドキ。

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Marattia sp.
軸は棘が生えてて縞模様があって特徴的で最高なのにこの時はアリダマに興奮してあんまり見てなかったし持ってこなかったんですよね馬鹿でしょ!

一応分布的にはsalicinaかfraxinea。ソーラスの位置と葉の形と葉脈で見分けがつくらしく、見てみたけどどちらもなんとも言えない感じでした・・・。次行ったときにはもうちょい調べて見てきます。
北の方にはもっとすごいMarattiaがあるみたいなのでそれも見てみたい。

リュウビンタイは毛が生えてるやつだったんだけど写真撮ってない・・・。そういえば小さい持って来れそうなのも探さなかった気がする。今回分かったけどアリダマとレカノに集中&興奮しすぎて他のものがどうでもよくなってしまう傾向があるので気を付けないといけない・・・・・・


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Hymenophyllum sp.

やっぱりコケシノブはいいですね・・・。コケシノブも形態が多様で面白いですよね。最近気になってる・・・。なかなか環境整えられないんだけど。
種類はちょっと調べたけど全然わかりませんでした・・・

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Ophioglossum sp.
ふかふかの腐葉土に生えていてスルッと抜けました。根は太い根がちょろちょろ生えているだけ。菌根菌と共生しているらしく、根は栄養をとるためというより固定する役割が強そう。ただの棒みたいだけど面白いシダですよね。


近くを一通り回って、放置してアリが少なくなったアリダマを回収して山を降りる。
車の方に戻ったら大きいメタリックなカメムシがいました。

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超かっこいい!さっぱり見当が付かないので誰か教えてください!



そんなこんなで採集2日目は終了。目的のアリダマ見つけられたし大満足でした。
もっと近く周りたかったけど、ホテルから2,3時間離れた場所だったので早めに戻る。


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途中車が滑って登れなかったシーン。こんな状況で前後で写真と動画を撮っている笑


続く



BB5th リスト

BB5thの主な販売リストです。

Lecanopteris sinuosa Gunung Jerai, Malaysia 
                   sinuosa  獅子葉
                   lomarioides
                   lomarioides up light form(立ち葉)
                   crustacea
                   mirabilis
                   luzonensis
                   luzonensis thin form(小葉)
                   pumila
                   deparioides
                   celebica
                   carnosa
                   balgooyi`0507’ South Sulawesi
                   Yellow Tip
                   Tatsuta


Columnea spatulata
               linearis
               sp.1 (赤微毛)
               sp.2 (葉裏ベタ赤)


Platycerium bifurcatum V.vildrii
                  hillii Magnificent
                  hillii Geisha
                  quadridichotomum
                  elephantotis Uganda
                  stemaria HG-317
                  willinckii Bogor
                  willinckii Button
                  willinckii Indonesia
                  willinckii Bali
                  willinckii Bali (YFK2)
                  willincii W.A.Manda
                  willinckii Copper Will wide form
                  willinckii Silvery
                  willinckii Rain
                  willinckii Miami Tatsuta
                  willinckii Dwarf Tatsuta
                  Little Will
                  Mt. lewis Mutant spore grown
                  Mt. lewis short form
                  Elemaria


Microgramma tecta Ecuador 
                     squamulosa 
                     lycopodioides Colombia 
                     lycopodioides Costa Rica 
                     cf. dyctyophylla Ecuador 
                     reptans Panama
                     nitida 
                     heterophylla 
                     vacciniifolia 
                     sp. 1 (squamulosa?) Ecuador 
                     sp. 2 (reptans?)Ecuador
                     sp. 3 (lycopodioides?)Ecuador


Selaginella siamensis
                willdenowii 斑入り
                umbrosa
                biformis
                emmeliana
                braunii
                sp. Luzon
                sp. Sarawak
                sp. Phillipines
                sp. 1(大きい立ち葉)Malaysia
                sp. 2(黒いの)Malaysia 
                sp. Sri Lanka
                sp. Cameron Highlands
                sp. North Sumatra
                sp. Taiping
                sp. Nanga Pinoh
                sp. 1 South Sulawesi 
                sp. 2 South Sulawesi 
                sp. 3 South Sulawesi 
         
この他にも沢山あります!7割ぐらいシダですかね。
色々探してみてください。

South Sulawesi その3

アリダマは高くてとても取れないのでハンターさんに取ってもらう。大きすぎるものは漢方薬に・・・。持って帰っても大体腐るしね。

アリダマを採ったあと、膨大な蟻が去るまで草むらに放置して近くを散策。

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Pachycentria? sp.

アリダマの木に一緒に付いていたもの。
芋の中は完全に詰まっていたし蟻もいなかったのでアリ植物ではなさそう。
それよりもフペルが気になる・・・

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Aeschynanthus sp.

這い上ってる!!直射日光が当たる場所では葉は真っ赤に。他の場所の雲霧林でも見られましたが、結構暗いところにも生えてました。

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Coelogyne celebensis

大きくて超かっこよかった・・・。自生してる蘭はどれも素晴らしかった・・・

ここから渓流沿いに山の中へ。


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Selaginella sp.

まるで珊瑚のようでめちゃんこ綺麗。なのに写真うまく撮れてなかった・・・悲しい・・・

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Selaginella sp.

団扇のようなセラジ。
立ち上がってから大きく広がっていて存在感あった。

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Selaginella sp.

針のように繊細な葉を持つセラジ。
倒木の下のかなり暗いところを這い登るように生えていました。

ちょっと歩くだけで沢山のSelaginellaが・・・。天国かここは・・・
今回で6,7種ほど採って現在養生・増殖中。思い返すとスルーしたのもいくつかあったので次回は見つけたの全部採ってこよう・・・。


続く

South Sulawesi その2

散々だった採集一日目が終わり、残りの日程では到底目的の山に辿りつけそうにないので、ガイドさん知り合いのハンターさんにアリダマがあるところに連れて行ってもらうことに。このハンターさんがなかなかすごい人だった・・・

ちなみにスラウェシでもアリダマは漢方薬になってます。売ってる都市はちょっと離れたとこだったけど。
これを探しに来たと言ったら「こんなのおじいちゃんおばあちゃんしか興味ないよ~!www若いのにおかしいね~www」と笑われました。



採集2日目
まずハンターさんの自宅と温室へ。
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アトラスオオカブト

南部の低地ではカブクワの採集場所があり、そこから世界へ輸出されているらしいです。採集者は一本の木に2人ずつで、自分が採集できる木が決まっているらしいです。案内出来るらしいので今度時間あったら行ってみたいなぁ。

植物の写真は全然良いの撮れて無かったので割愛・・・。


今度はちゃんとドアのある車で山道をどんどん登っていき目的地付近に到着。
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Selaginella sp.

なんて繊細で綺麗なんだ・・・
これは採って現在増殖中。

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爬虫類のイベントとかでよく見るゴムチューブ。



・・・そして出会いは突然に・・・


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いたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ここでテンションは最高潮。隣で体調不良で倒れこんでる彼女を尻目に大興奮。
少し登っていくとなんとも神々しい光景が・・・
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かっこいい・・・

初めて自生地を見ましたがやはりどれも高い場所に。そして不思議なことに一本の木に鈴なりに。横の木々には全くついていないのに、点々とアリダマが生る木が生えているようでした。
蟻の排泄物がそのまま木の溝なんかに挟まって発芽するのか・・・?それともフィジーのSquamellariaと蟻の関係のように、蟻がアリダマを栽培しているのだろうか・・・。なんとも不思議な光景でした。

行って分かりましたがコンデジじゃ全然撮れないですね・・・。一眼を持ってきてくれた友人の写真があるのでそちらをどうぞ。
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Myrmecodia sp.(orange stem)

赤軸が素晴らしい・・・。
スラウェシではM.menadensisとM.kandariensisで記録がありますが、kandariensisはmenadensisであるとの記述も。地理的にはkandariensiだけど、葉の形状を記録してある論文を見るとmenadensisっぽい・・・。どれも微々たる差だろうしよく分からない・・・
多分このオレンジ色が特徴というより長い葉柄が特徴なんだと思います。蟻の穴も平べったく屋根が付いてるようで特徴的でした。

ちなみにorange stemとしてリリースしましたが正確にはオレンジなのは葉柄(Petiole)ですのでお間違いなく・・・。分かりやすそうでそうしました。

詳しくはまた個別に記事書こうかな。とにかく、感動的でした・・・


続く