アリノスシダの栽培

書こう書こうと思ってた記事を書きます!!
アリノスシダ(Lecanopteris、レカノプテリス、以下レカノ)の栽培方法についてです。手に入りやすい種を中心に書きます。

前回更新からかなり色々ありましたがすっ飛ばしていきますね。

最近色々と出回り始めたレカノ。主にヤフオクや爬虫類ショップやアクア系のショップなど中心に販売しているように思います。
・・・が、ショップの方も知識がないんでしょうが、販売時の状態が微妙なものがほとんどです。(根茎が小さい、既に干からび気味、葉無し、根無し)
ワイルド株であればそういう状態は分かりますけど、その状態からどうすればいいのか?手に入れたはいいけど、どう育てたらいいか分からない方の為に、浅い経験ながらも自分が実際に栽培してみて感じたことを中心にざっくり書いていこうと思います。

種類ごとに温度や湿度など変わってきますが、まず共通して言えることは、
●水好き
●通風が良い場所で管理
●日照好き
●肥料好き
熱帯雨林や雲霧林の植物
種に限らず栽培は難しい方
アリダマと大体一緒ですね。なお、もちろん植物の状態や環境にもよります。小さい根無し株を普通に風通しが良いところに置いておいたら干からびるでしょうし、水好きだからと言って多湿環境でびちゃびちゃにすれば、少しでも風が滞った箇所から腐り始めるでしょう。


植え方・管理
植え方のおすすめは、
・多湿環境なら→板付け(ヘゴ・コルク・焼杉etc.)
・常湿、または屋外→バスケット植え、鉢植え(水苔、ヤシガラ、クリプトモス)
プラ鉢植えは正直あまり成績良くなかったです。濡れすぎてしまうのと、根に酸素が行き渡らなくなるのが原因かなぁと。なので、プラ鉢植えにする場合は軽石や砕いた発泡スチロールなどを入れて調整すると良いと思います。やったことないけど素焼き鉢も良さそう。
・・・これ、ちょっと前まではレカノはバスケット植えが一番だと思っていました。
何故かというと、以前のラブホみたいな照明の大麻やってそうで警察が訪れた部屋では失敗がなかったから。湿度は比較的高かったけど、現在の地下室よりかは風通しが良かったようです。で、現在の地下室。照明の高温も相まってまぁ腐るは腐る。水苔植えだったのもダメでしたね。根茎付近の風通しが悪く、そこからどんどん腐っていきました・・・。
とにかく高温蒸れ厳禁!

今現在、バスケット植えは屋外温室orかなり風通しが良いところ、板付けは地下室、で上手くいってます。
板付けの場合の水苔の量や、バスケット植えの場合の植え込み材などは栽培環境に合わせて選んでください。目安としては、常に濡れているけど、びちゃびちゃになりすぎない、3日ほど水やりしないとほぼ乾く、ぐらいですかね。一週間水やりしなくても湿ってるっていうような状況は環境や植え込みを見直した方がいいかも・・・。腐りやすい環境にあると思います。


湿度
湿度についてですが、これは種類と状態によりますね。基本湿度はあった方が無難です(60~70%ぐらい)
まず、暖かくて状態良ければ屋外栽培出来る種(比較的湿度の要らないもの)
sinuosa
crustacea 
lomarioides
Tatsuta(交配種)
こいつらは根茎に鱗片があって、見た目的にも強そうなので分かりやすいかと。
根茎が緑だけど屋外で出来るのは、
pumila
luzonensis
carnosa
Yellow Tip(交配種?選抜品種?)
ここら辺は比較的強健種です
その他celebica、mirabilis、balgooyiなども工夫すれば出来るでしょう。
他魅力的な高山種はまぁ大人しくそれなりの設備が用意できるようになってからにしましょう!

屋外栽培は特に乾燥しやすいので注意です。風通しも良すぎるのでちょっと工夫した方がいいですね。
上手くいけばメキメキ育ちますよ。ただ冬越しが悩ましくなりますが・・・
基本熱帯の植物なので15度は欲しいですね。10度ぐらいまで耐えられるけど傷んできたり成長止まります。成長止まるといじけて次に成長するまでに枯れたりなんてこともあるので出来れば成長は止めたくないところです。



こんなところが基本的な情報でしょうか・・・
で、それを踏まえて、状態が悪くなった時やワイルド株の立ち上げ、株分け直後など、養生をどうするかですが、簡単にいうと「基本的な栽培環境を押さえた上で湿度を上げる」です。
何が良くて何がダメなのか知っていれば、小さいうちなら通風が悪い水槽でも栽培、養生出来るはず・・・



状態悪くなった時の対処法
○しわしわになった→水切れの場合ですが、一日や二日、密閉したり湿度を上げて様子を見ましょう。膨らんできたなら復活できそうです。密閉は長くて二日程度にして、ある程度膨らんだらもとに戻して水切れないように要観察。ここで密閉が長すぎたり、急に灌水を多くすると腐りやすいです。乾燥したら水多くやればいいとか思ってると痛い目見るので慎重に。

○根茎が腐り始めた→すぐに腐った箇所を切除して切り口を殺菌!ダコニールを塗るか、トップジンMペーストが良いです。切除する箇所は腐ったところから少し離した健康な根茎から切ってください。その後、植え込み材が切り口に当たらないようにし、しばらくは毎日観察(株分けで切った時も同様)。また腐ってきたらまた健康な箇所も含めて切除の繰り返し。腐りは早期発見出来れば以外と治しやすいです。逆に進行が進んでるとどれだけ切っても助かりません。

○新芽がいじけて成長が止まった→風が当たりすぎたり、新芽が食害されたりすると長く成長が止まってしまうことがあります。こうなったら、環境を変えずに動かさない方が無難。気長に腐らないように気を付けながら待ちましょう・・・。ただこれが温度や湿度の問題だとそのままにしておいたら枯れるので、その場合は適した環境づくりをしてください。

○根茎が黒くなったor茶色くなった→黒くなるのは生理現象なので問題ありません。黒化した根茎は生きています。下から新しい根茎が生えてくることもあります。ただ、黒化した根茎は水が当たりすぎると腐りやすい傾向があるように思いますので注意。特に古株で折り重なった箇所などは水が溜まりやすく腐りやすい。心配ならバラした方が無難です。茶色くなった根茎は枯れています。枯れたってことは、そこが何かが原因で傷んでしまったということ。環境を見直した方が良いかもしれません。すぐに状態が悪くならずとも、いつか調子を崩す可能性があります。



・・・・・・・・こんな感じでしょうか?!
ざっくりと書いたつもりが長くなってしまった・・・。もちろん種ごとに好む環境は違うので一概に言えないけど、基本的なところ大体書いたはず・・・。
あ、あと大事なことは当たり前ですけど良い株を入手すること。
ポイントとしては、新芽が動き始めている根茎が緑部分が多いしわが入っていない根茎が小さすぎない葉がある、ような株が良いでしょう。

まとめますが、レカノは基本水好きで蒸れ厳禁。ちょっとめんどくさいやつなんだと思ってください。環境が合えば難しい植物ではないと思います(種による)
実際自分もまだ園芸始めたばかりの時にいくつか入手しましたが、ほぼ成功しました。ただその時はやはり見た目から、超難モノなんだと身構えて、出来る限り環境を整えようとしていましたから、それが良かったのだと思っています。



今後種ごとに記事書いていけたらなーと思います。
レカノの栽培法はアリダマにも通用するので応用効きますよ。是非挑戦してみてください!